受講生限定ウェビナー | リスニング

リスニングは、
積み上げた「数」で決まる。

全部を聞き取ろうとしなくて、大丈夫です。今日のウェビナーで話した、リスニングの本質と練習法をまとめました。

このページのゴール

今日のテーマはリスニングです。ただ、前半はけっこう「話すこと」の話になります。リスニングと話すことは、実はかなり連動しているからです。

リスニングって、「とにかく聞き取れるようにするもの」だと思われがちです。でも実際は、自分が言えるようにした音の数と、聞けるようにした経験値——この2つの積み上げで決まってきます。

そして、その積み上げを止めてしまう一番の原因が「焦り」です。「いつになったら聞き取れるんだろう」と考えているうちは、なかなか前に進めません。

今日はその焦りから抜け出して、リスニングを楽しく積み上げていく方法を、一緒に見ていきます。

まずは動画で(約1時間)

Masaが実際に話している録画です。下には「読んでわかるまとめ」も続きます。お好きなほうからどうぞ。

※ スマホでは画面の文字が小さく見えることがあります。その場合は下のまとめをご覧ください。

1覚えた単語、すぐ会話で使えますか?

ウェビナーの最初に、みなさんにこの質問をしました。結果はこうでした。

「あまり使えません」が約50%、「時間はあるけど使えます」が約33%、「すぐ使えます」はほとんどゼロ。

覚えたはずの英語が、なかなかパッと出てこない。これはみなさんだけの悩みではなくて、ほとんどの人がぶつかるところなんです。

では、なぜこれが起きるのか。カギは「インプット」と「アウトプット」、それぞれの意識にありました。

2覚える英語は、しぼる

Masaは新しい表現を覚えるとき、実はかなり厳しく「これ、本当に使うかな?」でふるいにかけています。

覚えるのは、この2種類だけでいい、という考え方です。

  • そんなに努力しなくても、覚えられるもの「I have to 〜(〜しなきゃ)」「I want to 〜」のようなチャンク。何度も使うから、自然と身につきます。
  • 覚えていて楽しいもの自分が「これ言えるようになりたい!」と思えるもの。

逆に「汗をかく」「毛を抜く」みたいな、なくても会話が成り立つ言葉は、初心者のうちは無理に覚えません。

やりがちな落とし穴

日本語をChatGPTで英語にしてもらって、それをひたすら覚える——これはけっこう危険な勉強です。本来覚えなくてもいいものまで、どんどん頭に詰め込むことになるからです。

3頭の中に「2つの箱」をイメージする

英語を話すとき、頭の中にこの2つの部屋があると考えてみてください。

① 倉庫の部屋(ジャンクな在庫)

今まで覚えてきた単語が、ごちゃっと置いてある部屋。ここに入れておくのは大丈夫です。ただ、ここから直接しゃべろうとはしません。

② 実践の部屋(すぐ使える仲間)

本当に使える、パッと出てくる言葉だけを置く部屋。会話はこの部屋の言葉だけですると決めると、驚くほど思考がシンプルになり、スッと言えるようになります。

ここがキモ

「実践の部屋にあるものだけで話す」と決めると、その言葉の出す速さ・発話スピードがどんどん上がっていきます。少ない道具を、速く使えるようにするイメージです。

4「言いたいこと」より「言えること」を優先する

「昨日何したの?」と聞かれたとき、頭の中で起きていることが、話せる人と詰まる人でまるで違います。

✕ 詰まってしまう人

まず日本語で具体的に考える → それを全部英語に翻訳しようとする

「映画館に行って、友達と〜」を全部訳そうとして、焦りが出て止まってしまう。

◯ スラスラ話す人

自分が持っている言葉だけで、組み立てて終わらせる

I went to the gym, and I exercised, and it was fun. これで終わり。ピリオド。

英会話は、こういうゲーム

英会話は「思いついた日本語を、速く英訳するゲーム」ではありません。自分がすでに持っている単語だけで、どこまで会話をつなげられるかというゲームです。シンプルな言葉で話せば、相手もシンプルに返してくれるので、リスニングもぐっと楽になります。

5言語学習、一番の敵と一番の味方

テクニックの前に、これが何より大事です。

一番の敵 = 焦り

「いつになったら話せる/聞けるんだろう」と考えるのは、常に自分に足りないものを数える引き算の発想。ずっとマイナスで、つらいままです。

一番の味方 = 楽しむこと

昨日の自分より、何ができるようになったか。その「差分」「成長した部分」を見る。ここに余裕を持てるかが、すべてです。

考え方を、こう変える

「何が足りないか」を数えるのをやめて、「何をできるようにしたか」を数える。積み上げ思考に切り替えると、英語学習はだんだん楽しくなってきます。

6リスニングは、結局この2つで決まる

つきつめると、リスニングで最後にものを言うのは、この2つの掛け算です。

AXIS 1
言えるようにした
発音スピード
ネイティブと同じ速さで発音できる量。ここが最もレバレッジが高い。
×
AXIS 2
聞けるようにした
経験値
「これは聞き取れる」という動画・音声を、いくつ増やしたか。
ネイティブとの会話=テストだと考える

教科書を全部丸暗記して満点、なんて無理ですよね。リスニングも同じです。全部を聞き取ろうとしない。「1000ページのうち150ページはできるようにした。だから本番では3割くらい聞き取れたらいいな」——このくらいの気持ちで生きていくのが正解です。

7リスニングのロードマップ

プログラムでお伝えしている流れは、基本的にこの順番です。

1
音声変化 / フォニックス
音の流れがどうなっているかを学ぶ
2
シャドウイング
スピードに慣れ、発音を速くしていく
3
経験値を増やす
聞ける動画・使えるセリフを積み上げる
最初に効くのはどこ?

いちばん効果が出やすいのは、発音スピードを上げること。努力に対して成果を感じやすいのがここです。そしてその答えが、シャドウイングになります。

8「単語ごと」ではなく「かたまり」で捉える

シャドウイングは、単に速く言う練習ではありません。「一つのかたまりとして捉えられる量」を増やすゲームです。

I was on a train, and this guy talked to me, and he asked me where he should get off.
これを Masa は、上のような「4つのかたまり」として捉えています。単語1個ずつで追いかけると、絶対に間に合いません。
なぜ、ネイティブは速く聞こえるのか

ネイティブは、実はそこまで速く話しているわけではありません(日本語のほうが速いくらい)。彼らは8〜10単語をひとかたまりで処理しているだけ。2単語ずつで捉えている人とは、軽量級と重量級が戦うようなもの。だから、自分が一度に捉えられるキャパシティを、少しずつ広げていく必要があります。

9発音は「柔らかい音」でつくる

かたまりで速く言うには、発音の出し方そのものを、日本語から変える必要があります。

日本語の特徴は、口先から音を出し、息が止まっていること。I / was / on / the / train と、1個ずつハッキリ切ってしまいます。これだと英語はきれいに流れません。

10文法・シャドウイングが終わったら、やること2つ

「もう次、何をすればいいの?」という人へ。やることはシンプルに2つです。

1

YouTube動画を「1本、聞けるように」する

何でもいいので、自分が興味を持てる動画を1本。「ネイノゥ…」としか聞こえなかった音を、字幕で確認して「こう言ってたのか」と分かるようにしていく。これを1本ずつ増やしていきます。聞きたい領域(例:スポーツ選手のインタビュー)があるなら、そこに特化した動画を選ぶのがおすすめです。

2

使えるセリフを、シャドウイングして語彙リストに追加する

動画の中で「これ、絶対使うわ」と思ったセリフ(例:We're getting off/今降りるよ)を見つけたら、そこをネイティブと同じスピードでシャドウイング。自分の「言える語彙リスト」に追加していきます。日本語を挟まずに、英語のまま語彙が増えるのが、この方法の強みです。

おすすめの入口

最初のスタートとしては、「English with 〜」系の、先生が一人でやさしい英語を話してくれるチャンネルがおすすめ。「Today I'm gonna talk about 〜」のような、そのまま使えるフレーズがたくさん拾えます。

今日いちばん伝えたかったこと

焦って足りないものを数えるより、
「聞けるようにした数」を積み上げる。
1週間で1本 → 1ヶ月で4本
20分の動画なら、80分ぶんの英語が「聞けた」に

言語は、積み上げてきた自分のポートフォリオで、目の前の人と理解し合える範囲をどれだけ大きくするか、というゲームです。その積み上げていく感覚を楽しむ——それ以外に、成長の仕方はありません。今日からもう、本番のテスト対策は始まっています。

このまとめについて

このページは、受講生限定ウェビナーの録画をもとに、内容をそのまままとめたものです。動画とあわせて、復習にお使いください。質問や「ここが疑問だった」という点があれば、担当の先生までお気軽にどうぞ。